2018年以降、非居住地の金融機関に作った口座情報も自国の課税当局に筒抜けになることをご存知だろうか。各国の課税当局は、以前から富裕層の国をまたいだお金の流れに関する情報交換を行ってきたが、これからは、非居住者が自国の金融機関に開設した口座の情報を収集し、互いに情報の交換を行うという。
各国課税当局が非居住者の
口座情報を相互に交換
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あまり知られていないかもしれないが、2018年から、各国の課税当局が自国の金融機関にある非居住者の口座について情報共有することになった。
2014年2月、OECD(経済協力開発機構)は、「共通報告基準」(CRS:Common Reporting Standard)を公表し、加盟各国の課税当局が、非居住者が自国内の金融機関に開設した口座の情報を互いに交換できる枠組みを示した。
CRSによれば、各国の課税当局は、「自国にある金融機関から、外国人などの非居住者が保有する金融口座の口座残高と、利子・配当などの年間受取総額等の情報を受け取る」「租税条約などの情報交換規定に基づき、非居住者の居住地国の課税当局にそれらの情報を提供する」とされている。
※参考:KaikeiZineの記事
日本では、銀行など預金機関はもちろん、生命保険会社などの特定保険会社、証券会社などの保管機関、および信託などの投資事業体が情報提供の対象とされている。
これまでも、課税当局があらゆる手を尽くして富裕層の「海外資産包囲網」を構築している様子を紹介してきた。100万円を超える国外送金を行うと、扱う金融機関から自動的に税務署へその事実が情報提供される「国外送金等調書制度」は、同包囲網の“古株”だ。
1998年の制度運用開始時は200万円超が情報提供対象だったが、2009年4月には100万円超に基準が改められた。