損失リスクを抑え
賢く優待ライフを楽しもう!

 欲しい優待銘柄を見つけても、いきなり飛びつくのはNG。株価下落や突然の優待廃止のリスクがあるからだ。買ってイイ銘柄を、安い時期に仕込むにはどうすればよいのかをT&Cフィナンシャルリサーチの折山さんが伝授します!

★STEP1…優待をもらっても株価が下落してはNG!
<業績が安定して伸びている会社を選ぼう!>

理想は売上高と利益がどちらも順調に伸びている会社

 業績が悪いと、もらった優待額以上に株価が下落する可能性が高くなる。購入前には、必ず業績を確認しておきたい。
「理想は増収増益が続いていることですが、とりあえず増益ならOK。無配に転落した企業は、優待廃止リスクが高まるのでオススメできません」(折山さん)
なお、減益はなるべく避けたいが、出店強化など前向きな理由による場合もある。IRページなどで理由を確かめよう。

(1)まずは過去3期分の業績を確認!
→理想は今期増収増益。最低でも黒字確保
→できれば増配企業。無配だとリスクが高い。

(2)余裕があればこれもチェック!
□ 今期業績の進捗率
□ 予想PER・PBR
□ 自己資本比率


★STEP2…業績がよくても高値で買ってはダメ!
<権利落ち後の株価が安い時期に仕込む!>

最終売買日の1~2ヵ月前なら高値づかみを避けられる

初心者は右肩上がりの銘柄の調整時が狙い目。なお、業績悪化などの理由で株価が右肩下がりの銘柄は、避けたほうが無難。底値で買ったつもりでも、底割れするリスクがあるからだ。

 優待銘柄の株価は、一般的には最終売買日に向かって徐々に上昇して、権利落ち日になるとガクッと下落する。
「高値づかみを避けるには、優待狙いの上昇が始まる前、権利落ちの後から最終売買日の1~2ヵ月前までの間に購入しておくのがオススメです」(折山さん)
株価が上がり始める時期は銘柄によっても異なるので、まずは過去のチャートを見て値動きの傾向を見ておこう。


★STEP3…どれぐらいお得か計算してみる!
<「配当+優待」で実質利回りを計算する!>

好業績で高利回りの銘柄なら長期保有するのも1つの手

 欲しい優待さえ手に入れば、利回りなんてカンケイない! という人もいそうだが、あまりにも投資効率が悪いのも考えモノ。そこで、「配当+優待」の実質利回りを確認しておこう。現在は、株価が全体的に低迷していることもあって、この実質利回りが数パーセント~10%近い優待銘柄も少なくない。「高利回りで、しかも業績や株価が安定している銘柄なら、インカムゲイン狙いで長期保有するのも1つの手と言えます」(折山さん)

例:10月29日に吉野家HDを9万8500円で1株購入した場合

・年間配当金 2000円×1株=2000円(利回り2.03%)
・株主優待 3000円×年2回=6000円(利回り6.09%)
→年間配当金+株主優待=8000円(優待+配当利回りは8.12%に!)

※ただし「優待+配当利回り」が10%超の銘柄は要注意!
株価が大幅に下落したため、利回りが極端に高くなっている可能性もある。実質利回りが10%超の銘柄については、業績や株価動向を特に慎重に確認しておきたい。

(文/肥後紀子)