では、新築マンション価格はどのように推移していったのか。東京都区部で発売されたマンションの平均平米単価を追いかけていこう(不動産経済研究所調べ)。

 首都圏都心部の土地価格暴騰は89年には落ち着くのだが、土地の仕入れから建設して販売にこぎ着けるまでにタイムラグがあるマンション価格の場合、2年ほど遅れて91年にピークが来ている。その後のバブル崩壊と景気後退、ひいては住宅購入へのマインドが冷え込んだ10年後には半額以下になっている。いかにマンション相場のピークが急激だったか、そして短かったかが、このグラフから読み取れる。

持ち家難民が殺到!
競争率が4706倍の戸建て住宅

 そんな中で、政策的に相場を引き下げようとする物件も登場した。東京都住宅供給公社がこの年、多摩ニュータウンで発売した戸建て住宅16戸である。

 公的な立場からか、価格は相場の約半額に抑えて、200平米前後の土地付きで5500~7600万円。「民間ではとてもじゃないが無理」というレベルだ。都心に1時間という、当時としては「便利な立地」に、辛うじて手が届く値付けとあって、持ち家難民が殺到した結果、応募者数3万1487人、競争倍率はなんと平均で1968倍、最高4706倍に上った。

 現在の同等の条件の物件相場は4000~5000万円程度と、当時よりは安くなっているが、それでも7割程度。この物件は確かにお買い得であった。