こんなふうに煮え切らない釈明ばかりで、結局「なぜ不倫に走ったのか」に触れないまま、最大関心事には修正液でがちがちに塗り固められ、「部外秘」のスタンプをぽんと押されているかのようでした。

 しかし、今回のアンケートでは不倫経験者226人の生証言を採用することで、不倫記事では起こりがちな「大人の検閲」をとことん撤去し、徹底的に「見える化」を目指しました。

 今回のアンケートでくっきりと浮かび上がったのは、不倫が「魅力的な恋愛」だと感じる人には2つの共通点があること。1つは男女問わず「心のなかが空白や隙間だらけ」。もう1つは「ムラムラしている男」と「ドキドキしたい女」が引き寄せられることです。例えば、恋をしたいだけのアラフォー女性が「ワンナイトラブ」思考のチョイワル男性と付き合っても「やり逃げ」されるだけだし、子煩悩なパパが「性のはけ口」を追い求めたせいで、アラサー女性を本気にさせた場合、離婚を求められ、理想の家庭をボロボロにされるのがオチ。これは男女間における「思考回路のズレ」がもたらす不幸の典型例です。

 イメージしてください。今まで不倫とはギリシャ神話の「パンドラの箱」とそっくりでした。もしも興味本位でうっかり箱のなかを覗こうものなら、身の周りに災いが降りかかるのです。だから「絶対に開けてはいけない」というルールが神話形式で後世に語り継がれているのです。

 一方、不倫における「暗黙の了解」とは何でしょうか?それは「不倫のメリット>デメリット」という方程式のことです。このバランスが崩れた途端、倫理観の欠如、法律違反、家庭崩壊といった「災い」がどんどん降りかかるので先祖代々、言い伝えられてきたのです。『絶対にやってはいけない』と。

 それなのに「パンドラの箱」を開けた上、さらに箱の中身を「ガサ入れ」したのが今回のアンケートの核心。不倫という裏社会のタブーを公衆の面前でさらさなければ、ゲス男(女)が続出するばかりではないでしょうか?

明日は我が身?不倫をしなくても
不倫をする思考回路は理解しておくべき時代

 他人事から自分事へ。転換のきっかけは4年前のNHKドラマ「セカンドバージン」。鈴木京香さん演じる40代キャリア女性(バツイチ)が一回り年下の男性社長(既婚)と出会い、不倫の喜びに目覚めるという話ですが、これは前代未聞。なぜなら、不倫は列記とした法律違反(民法709条)なのに国民の受信料を使い、誰が見るか分からない公共放送の画面で「違法行為の魅力」をたれ流したのだから…最終回の視聴率は初回の2倍以上(5%→11%)に跳ね上がる「セカバー現象」を巻き起こしました。

 さらに、2年前のフジテレビの連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」が火をつけ、今年に入ってからも「コントレール~罪と恋~」「僕のヤバイ妻」「せいせいするほど、愛してる」など不倫をテーマにしたドラマが数多く作られ、もはや「不倫」の二文字を目にしない日はありません。

 つまり、不倫はもはや「一部の人間の火遊び」「対岸の火事」ではなく、「明日は我が身」なのです。不倫の被害者、加害者予備軍だけでなく単なる傍観者も、不倫に至るまでの思考回路を知っておくべき時代なのでしょう。