未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのはインドの経済成長の秘密を探る話題の書『インド・ウェイ』です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー)
インドの150社100人以上にインタビュー
高成長の秘密は“インド独自・独特”
ジャガーという英国の高級自動車をご存知でしょうか。実はこのジャガーは、2008年にインドのマハーラーシュトラ州のムンバイに本社を置く自動車会社、タタモータースに買収され、その傘下となっています。
おそらく知らない人が聞くと、どうして英国の高級ブランドがインドの自動車会社に買収されたのか?と思われるかも知れません。しかし、インドはここ数年で、急速な経済成長を続けています。先進国もこの現状に多いに注目し、新しい市場をこの国に求めているのも事実です。
なぜ近年、インドはこのような経済成長をするに至ったのでしょうか? 実はその大きな謎を解くカギが、この本には隠されています。近年のインドの成功には多くの要因がありますが、その要因をまとめて「インド・ウェイ」と呼んでおり、その全貌が本書によって明らかにされています。
本書は、ペンシルバニア大学ウォートンスクールで教授を務めている、ピーター・キャペル、ハービール・シン、ジテンドラ・シン、マイケル・ユーシームの4人のウォートンズ・インディア・チーム(ウォートンスクールのインド経済研究チーム)のメンバーが書いたものです。アメリカでも、今年ハーバードプレス社から刊行されたばかりの話題の新刊であり、インド経済の爆発的な成長の原動力を探っています。
彼らはインド国内の150の大企業の上級管理者100人以上にインタビューを行っています。成功の要因の中にはインド特有の状況にしか適さないものもありますが、それでもそのいくつかは、先進国の新しいビジネスモデルの基礎になり得る新しいアプローチといえます。また同時に、インドの近年の経済成長やビジネスの大きな成功は、西洋を真似た方式ではなく、トップリーダーたちによるインド独自・独特のマネジメント方式であると解説しています。
アメリカ国内でも、経済誌「フォーブス」などで注目書籍としても取り上げられ、従来の欧米式マネジメントにはない、その斬新なマネジメントの手法が注目されています。とくにグローバル企業がどのように21世紀に適応するべきか、といった新たな道を理解する上で欠かせない情報が満載された、非常に価値ある1冊です。
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