山里亮太(南海キャンディーズ)、村本大輔(ウーマンラッシュアワー)など、「炎上芸人」で検索すると名前がヒットする芸人は何人かいる。ツイッターではたびたび、こういった芸人の発言が炎上するが、なぜ芸人は他の芸能人たちのように炎上を恐れないのだろうか?お笑いライターのラリー遠田氏が解析する。(文/ラリー遠田 文中敬称略)

炎上芸人の一人、南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太。「殺害予告」もしょっちゅうだというPhoto:Rodrigo Reyes Marin/Aflo

 最近、フリーアナウンサーの長谷川豊が炎上騒ぎを起こして話題になった。自身の公式ブログで人工透析患者を中傷する内容の記事を掲載したところ、批判が殺到。全国腎臓病協議会からも正式に撤回と謝罪を求める抗議文が出された。こうした事態を重く見たテレビ各局は、軒並み長谷川のレギュラー降板を発表。彼はそれまでに持っていたレギュラー番組をすべて失うことになった。

 実は、このときの炎上騒動が飛び火して、別の箇所でもプチ炎上が起こっていた。ブラックマヨネーズの吉田敬がツイッターで長谷川を擁護するような書き込みをしたことで、彼のもとに批判の声が殺到したのだ。これ以外にも、著名な芸人がSNSで炎上騒ぎを起こしてネットニュースになったりすることはしばしばある。

 なぜ芸人は炎上を起こしてしまうのか? その背景にあるのは、受け手としての「一般人」側の問題、発信者としての「芸人」側の問題だ。この2つの側面に分けて芸人が炎上を引き起こす理由を考えてみることにする。

「舐められやすい」という
スタイルを取る芸人たち

 まず、一般の人が芸人というものをどう捉えているのか、という問題がある。端的に言えば、芸人とは芸能人の中で最も「舐められやすい」職種だ。芸能人が活躍できるのは、普通の人が持っていない特別な才能を備えているからだ。俳優には演技力があり、歌手には歌唱力があり、モデルには容姿の美しさがある。それが人の目に触れて価値のあるものとして認められ、評価されている。

 一方、芸人の芸とは、人を笑わせることにほかならない。プロの芸人が当たり前のようにやっている「人を笑わせる」ということが、実はかなり高度な芸であるということは、多くの人にはあまり意識されていない。