「知識があって、理解力があり、懸命に働くだけでは十分でない。成果をあげるにはこれらとは違う何かが必要である」(ドラッカー名著集(1)『経営者の条件』)
ドラッカーは、仕事において成果を上げるには、特別の才能や適性は必要ないという。いくつかの簡単なことを行なうだけでよいという。そして、簡単な習慣を身につければよいという。
第一が、常に貢献を考えることである。これは簡単なことのように思えて、じつはそうではない。「業績」という言葉が出てきそうになったら、そのつど「貢献」と言い換えなさいという。
第二が、常に集中することである。これも簡単なことに思えるが、そうではない。集中するには優先順位を決めなければならない。
第三が、目線を高くすることである。何をどうしようとも、「世のため人のため」という目線の高さがなければ飛躍は無理である。必ず、欲という落とし穴に落ち込む。
そしてもう一つ。ドラッカーが口を酸っぱくして説くものがある。成果を上げるための必須の資質は「真摯たること」である。これなくしては、長期的な成果を望むことは不可能である。
ドラッカーは、成果を上げる者は、成果を上げる能力を努力して身につけているという。彼らは、成果を上げることを習慣にしている。成果を上げるよう努める者は、皆が皆、成果を上げられるようになっている。
「成果をあげることは修得できる。そして修得しなければならない」(『経営者の条件』)