経営×統計学

ビジネスの現場で実践 統計学で差をつける!(2)

【エステー】
気象・販売データから
「ムシューダ指数」算出

 衣類用防虫剤のトップメーカーであるエステーは、10年前からその名も「ムシューダ指数」を独自に算出している。

 防虫剤の販売動向は、気象に大きく左右される。例えば春や秋の衣替えの際、ある気温になると一気に商品が動きだす。他方、衣替えは天気の良い日に行われる傾向が強いため、休日が雨だったりすると販売が鈍る。

 こうしたことは経験的に知られていたが、それを予測として数値化したのが、ムシューダ指数だ。

 過去の実績を基にした販売トレンド、気温・降水日数・天気などの予測を合わせ、多変量解析を行う。そして来るシーズンの販売量の前年比予測を、週ごとに出すのだ(図3‐4参照)。なお算出には気象情報会社のウェザーニューズが協力している。

 メインの活用法は「営業ツール」だ。販売店に対し、棚の拡充をいつするか、チラシをいつ打つかなど、具体的な提案ができる。「今年はどうなる?」と営業先に聞かれることも多い。データに基づいた予測値があれば営業担当者もやりやすいし、販売店にとっても有益な情報だ。

 「他のどのメーカーも持っていない具体的な指標であり、営業先との信頼関係構築に非常に役立っている」(髙野豪・マーケティング部門シニアスタッフ)。これだけが理由ではないがシェアも伸び、昨秋には初めて50%を超えた。

 長年の蓄積もあり、「予測と実績の振れは少ない」という。さらに精度を上げるべく、気象条件の変化に合わせて解析データの期間を変えるなどの試みも続いている。

「経営×統計学」



週刊ダイヤモンド編集部


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