経済的な事情で大学進学を断念せざるを得ない子どもが存在する状況は、早急に解決すべき問題だ。ただし、給付対象となるのは、「低所得世帯で一定以上の成績優秀者」。平均的な収入の世帯も教育費負担に十分苦労をしているし、返還義務のある奨学金を借りているケースも多いため、特定扶養控除を縮小し財源とする財務省案は与党だけでなく、納税者からも反発されることが予想できる。

 特定扶養控除縮小案は、おそらく今回は見送られることになるだろう。しかし、給付を受ける子どもが年々増えていくと、数年後に大きな議論もなく縮小が実施される可能性は残されている。

子どものいる家庭は
ずいぶん前から増税になっている

 過去にも「控除の縮小・廃止」は、たびたび行われてきた。図(3)にある通り、子どものいる家庭に影響がある改正が多い。

 民主党が政権を取っていた2010年に従来の「児童手当」の金額を拡大した「こども手当」が導入され、その財源確保のため翌年からゼロ歳~15歳の年少扶養控除(38万円)が廃止になっている。扶養控除がなくなっていることに気がつかず、今でも「子どもが産まれると、税金が安くなる」と思い込んでいる人は少なくない