今回は特別企画をお送りする。昨年英国エコノミスト誌のエグゼクティブMBAランキング世界1位に選ばれたIEビジネススクール 東南アジアエリアディレクターの、ダーク・ホプフル氏とリーゼントマネジャー、岡田兵吾との対談である。欧州とアジアの、あらゆるジャンルの、あらゆる国籍のビジネスパーソンにかかわってきたダーク氏に、日本人が活躍するためのノウハウを聞く。

インド・フィリピン――
発展途上国の「不確実性」で磨かれる能力

「不確実性」(Uncertainty)のマネージが重要。斬新な切り口で語るダーク氏(写真左)とリーゼントマネジャー岡田兵吾(写真右)

リーゼントマネジャー(以下、リーゼント) 本日はよろしくお願いします。まずは、ダークさんのバックグラウンドについて聞かせてください。

ダーク 私はドイツ人で、シンガポールに来て東南アジアを担当する前は、スペインをベースに仕事をしていました。シンガポールは今年で9年目ですね。

リーゼント 普段、色々な国に出張しているのですか。

ダーク・ホプフル
IEビジネススクール 東南アジア統括ディレクター。スペイン IEビジネススクールにてMBA(経営学修士)、ドイツ デュースブルグエッセン大学にてBBA(経営学学士)を取得。2007年からシンガポールに移住し現職。IEビジネススクール東南アジア統括本部を設立し、東南アジアおよび香港・台湾地域のビジネススクール運営を統括する。また域内の人材育成、人材開発、研修・能力開発に従事する。以前はスペインのIEビジネススクール本校にて入学事務局の責任者として全世界からの入学審査を担当。IEビジネススクール以前は、独シーメンスおよび関連会社にて、様々な領域にて能力・人材・リーダーシップ開発タレントマネジメント、リーダーシップ開発に従事する

ダーク 東南アジア地域での、ビジネススクール運営を担当しているので、定期的に出張しています。アジア地域の企業家やビジネスパーソンとも積極的に会うようにしていて、各種シンポジウムにも参加しています。

リーゼント 今日聞かせてもらいたいテーマは「日本人がグローバル社会で活躍するためには、どんなスキルや能力が必要か」といことですが、どう思われますか。

ダーク 私は、優れたリーダーかどうかは、「不確実性(Uncertainty)」を いかにマネージできるかにかかっていると思います。

 インドは発展したといわれるが、道路や交通機関、電力、インターネットなどのインフラも不十分で、商談の打ち合わせのような些細なことまで、いろいろと問題が起こり得ます。フィリピンも同じで渋滞がひどく、遅刻や打ち合わせ変更なども日常茶飯事です。