来春にデビューが予定されている、JR東日本とJR西日本の列車がいま注目を集めている。それは豪華寝台列車だ。JR九州の「ななつ星 in 九州」から始まった、豪華クルーズトレインという旅の形態は、まもなく新たな時代へ入ろうとしている。
応募倍率は最高76倍!
JR東日本の超豪華列車
大きなガラス窓で構成された前面形状と、シャンパンゴールドに輝く車体が印象的なのは、JR東日本が製作した「TRAIN SUITE(トランスイート) 四季島」(以下「四季島」)だ。1編成10両のうち、神奈川県の車両メーカーで3両、兵庫県の車両メーカーで7両が製造され、今年9月にそれぞれ完成。10月からは東京近郊での試運転を開始した。すでにその姿を目撃したという運の良い方もいることだろう。
列車は10両編成で、両端は展望室を備えた動力車。続いて「スイート」を備えた車両が5両と、更に豪華な「四季島スイート」「デラックススイート」用車両が1両つながる。
シャワーやトイレはもちろん、「四季島スイート」「デラックススイート」にはバスタブも装備。一部は2階建てとなっており、広々とした空間のなか、ゆったりと旅を楽しめるようになっている。
列車の中央部となる5・6号車は、それぞれラウンジカーとダイニングカーで、こちらも2階建て構造。いずれも内部の詳細はまだ非公開ながら、イメージパースなどではその豪華さが見て取れる。
「四季島」のツアーは3泊4日と1泊2日の2パターン。数ヵ月ごとにコースは変更される予定で、たとえば第1期運行となる2017年5~6月分の3泊4日コースでは、日光・函館・青森などを観光しながら回り、途中の2泊目は列車を降りてニセコや登別の温泉宿に宿泊する。第1期の申し込みは既に締め切られ、平均倍率は7.6倍、デビュー日である5月1日出発分の「四季島スイート」は76倍の倍率となるなど、注目の高さがうかがえる。
一方、JR西日本が手がけるのは「TWILIGHT EXPRESS(トワイライトエクスプレス) 瑞風」(以下「瑞風」)。その名が示すように、15年3月まで大阪と札幌を結んでいた豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継ぐというコンセプトだ。
こちらも「四季島」と同様の10両編成で、うち4両が既に完成しており、現在は山陰地区を中心に試運転の真っ最中。とはいえ、試運転中は車体全体が濃茶色のフィルムでラッピングされており、本来のボディカラー=「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継ぐ深緑色、を見ることはできない。