1両まるごとが1室に
JR西日本の豪華列車も来春デビュー

「瑞風」の特徴は、なんといってもその前頭部。5本の手すりに囲まれた部分は展望デッキで、進行方向後ろ側が開放される予定だ。走行中に風を感じられる場所があるのは「瑞風」だけ。ちなみに「瑞風」では走行中に外へ出られる場所がもう1ヵ所ある。それは最上級客室「スイート」に設けられたバルコニーで、この部屋の乗客だけが味わえる特別な空間だ。

「スイート」のある車両は、客室はこの1室のみ。つまり、1両まるごとが1室という、なんとも贅沢な造りで、エントランス、リビング、寝室にバスルームまで備えている。客室構成はこのほか「ツイン」「シングル」があり、1人用個室がある点も、他のクルーズトレインとは違った特徴だ。

1両まるごと1室のスイートがある、贅沢な造りが話題を呼んでいるJR西日本の「瑞風」。こちらも来春のデビューが予定されている(画像はスイート車両の浴室イメージ)

「瑞風」のツアーも3泊4日と1泊2日の2パターンで、デビューは現在のところ来春と発表されているだけ。募集はこれからだが、こちらも高い人気が予想されている。

 JR2社がほぼ同時に送り出すクルーズトレイン。かつて両社は、それぞれ「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」という、北海道方面への豪華寝台特急を運行していた。

 だが、これらはあくまでも“移動手段”であり、客室や食事も既存の寝台列車の延長線上にある、文字通り「豪華な寝台特急」だった。

 これに対し、クルーズトレインは数日間にわたって各地を回り、時には列車を降りての観光や宿泊を織り交ぜながら、出発地へ戻るというもの。これまで日本にはなかった、この新たな旅行形態を根付かせたのが、13年10月にデビューしたJR九州の「ななつ星 in 九州」(以下「ななつ星」)だ。

「ななつ星」は、3泊4日かけて九州をぐるりと一周し、由布院をはじめ各地を観光するというコンセプト。総工費30億円という専用車両は、木や布地をふんだんに取り入れ、客室は1両に2~3室という贅沢な造りだ。ダイニングカーでは旬の素材を一流シェフが調理し、ラウンジカーではピアノの生演奏が楽しめる。

 車内ではウェルカムパーティーなども催され、ドレスコードまで指定されるなど、豪華客船の旅がそのまま陸に上がったような、まさに「クルーズ」である。