トランプ氏の揚げ足をとる
マスコミの偏向報道に嫌気

「クリントン氏びいきのマスコミが、なぜトランプ氏の援軍に?」と首をかしげる人も多いだろうが、実は彼らがトランプ批判に張り切れば張り切るほど、トランプ氏に支持が集まっていく、というなんとも皮肉な現象が起きていた可能性が高いのだ。

 今年9月、世論調査会社ギャラップが全米で18歳以上の1200人を対象にマスコミの信頼度について聞き取り調査をおこなったところ、マスコミの報道が「正確で公平」と答えたのはわずか32%だった。

 これは44年前から調査をしているなかで、最も低い水準だという。なぜここにきて「メディア不信」が進行したのかということについて、ギャラップは保守系の人々が「マスコミがトランプ候補の揚げ足取りばかりしている」ことに不満を抱いているからだとみている。

 妥当な分析だが、個人的にはそれに加えて、トランプ氏に対する悪質とも言える「印象操作」が次々と露呈してしまったことも大きいと思っている。

 冒頭でも触れたが、トランプ氏は当初から共和党候補のなかでダントツに人気があったにもかかわらず、マスコミは「泡沫候補」とコケにしていた。さしたる根拠もないのに、支持者は「白人の低所得者層」とレッテルも貼られた。また、ワシントンのインテリらに、「予備選では奇抜な発言で注目を集めるが、すぐに飽きられる」なんて言わせ、それを喜々として掲載していた。

 だが、ご存じのように現実は違う。マスコミの予想に反し、トランプ氏は共和党候補として指名を獲得。人気も衰えなかった。

 このように無理筋の「印象操作」が1年以上も行われ続ければ、「オオカミ少年」ではないが、「ああ、マスコミなんてまったくアテにならないな」という不信感が一気に広まる。それはなにも保守系の人々だけに限らず、無党派層にも及んだはずだ。

 そうなると、「クリントン・ニュース・ネットワーク」がボディブローのように効いてくる。

 クリントン氏とトランプ氏の間で揺れる無党派層からすれば、あれだけ偏向報道をやってきた上に、まだクリントン氏を持ち上げるのかと辟易する。さらにいえば、肩入れしているクリントン氏もメール問題等で「ウソつきヒラリー」呼ばわりされている人物。つまり、信用のない人(=CNNに代表されるマスコミ)が、「ウソつき」と後ろ指を指される人(=ヒラリー)を必死に応援をするという、いかがわしさ満点の構図ができあがってしまうのだ。