グローバル採用では人脈を駆使して事実確認を

 詐称とまではいかなくとも、これまでの日本においても経歴を「盛る」程度の人は大勢いた。「成功を収めたプロジェクトに携わった」などと言っても、立ち上げの一番大変な時期を経験した人と、ビジネスが軌道に乗り出してからの人と、安定運用になってからの人とでは、「すごさ」が全く違う。しかし、「携わった」というのは事実だ(これが土地勘さえない外国のプロジェクトの話なら、たくさん盛られてもわからない)。

 かつて、A社からの転職希望者を徹底的に受け入れない会社があった。なんのことはない。表向きは「A社の人材はうんたらかんたらの問題がある……」と言っていたが、本当は人事担当役員がA社からその会社に転職する際、ありもしないA社での武勇伝をいろいろ語っており、それがバレたら困る、という笑えるような話がその理由だった。

 メディアに出ているからと言って、信用できるわけではない。「Amazonランキング1位」という宣伝文句のように、一瞬の成績が功績になる。瞬間最大風速的なトップ営業マンが何人もいる会社もあるし、経営者が「成功を収めた○○事業を育てた」と語っていても、たまたまそのときトップだっただけ、ということのほうが多い。ましてや会社の歴史は改ざんされるから、真の立役者の功績をわが物のようにしている人などいくらでもいる。

 結局のところ、何が嘘で何が本当かわからないのが世の中なのだ。

 そうなると、特に海外採用においては、信頼できる現地エージェントを活用したり、先に紹介した認証サービスを使ったりと、あの手この手で詐称に対抗していかなくてはならない。とはいえ、やはり一番信用できるのは、一緒に仕事をしたことのある信用できる「知り合い」だ。腰を落ち着けて地域の人脈を作り、それを地道に活用することがやはり必要なのだと思う。

 (構成=大高志帆)