IBMは1960年代から
女性活用に力を入れる
日本IBMが、6月22日に都内で開催した「IBM ウーマンズ・リーダーシップ・フォーラム」は、ランチタイムに食事をしながら和気あいあいとしたなかでスタートするユニークなイベントとなった。会場には、日本国内で活躍する女性のビジネスリーダーなど約200人が来場。講演やパネルディスカッションを通じて、日本の女性リーダーのさらなる活躍に向けた提言や意見交換を行った。
冒頭挨拶に立った、日本アイ・ビー・エムのポール・与那嶺社長は、「女性の活躍は、もはやCSRの観点からのものではない。日本の企業がグローバルで戦う上で重要なものとなっている。今回のフォーラムを通じて、女性の活躍について、アイデアをもらい、今後もダイバーシティを加速したい」と述べた。
日本IBMは、女性の活用では先行していることで知られる。
米IBMコーポレーションのジニー・ロメッティ会長兼社長兼CEOは、「日本IBMは、1960年代から大卒女性を採用。企業内の託児所、女性向けの幹部候補トレーニングを行ってきた。女性幹部比率は、日本全国平均の7倍に達しており、企業内ダイバーシティのペースセッターの役割を果たしてきた」と語りながら、「調査によれば、女性の比率が高い企業は、利益、売り上げも伸び、イノベーションが推進されるという結果が出ている」とする。
ロメッティCEOは、自らの体験にも触れ、女性が昇格する際の難しさも指摘する。
「私自身、大きな昇格を打診された時に即答できずに、自宅に戻って考えたことがあった。いまの家庭のことを考えると、あと1、2年あったら自信をもって仕事を受けられるという考えを夫に話すと、君が男性ならばそう思うのかという答えが返ってきた。これは母親からもらったアドバイスと同じ。自分のことは自分で決める。ほかの人に決めさせてはいけない。意思を固めて、翌日、昇格を受けた。昇格することに対しては、課題は多いが、チャンスもある。素晴らしいチャンスは生かすべきである」と語った。