「ひじが痛い」「手術を勧められた」。整形外科の患者によくある悩みを、部位ごとに分けて専門医に聞きました。今回は「腰の痛み」についての回答を詳しく紹介します。
【Q】立っているとおしりから太ももの後ろ、ふくらはぎがびりびりと痛くなり、短い時間しか立ったり歩いたりできません。整形外科で「腰部脊柱管狭窄症」と診断され、進行するとしびれや排尿・排便障害が起こることもあるため手術をしたほうがいいと言われました。手術をせずに治すことは難しいですか?(男性・70代)
【A】「どういう生活をしたいか」により手術をするかしないかの選択を
<回答者:JCHO大阪病院 副院長 冨士武史医師>
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は、加齢などによって腰の骨や関節が変形して脊柱管が狭くなり、中の神経が圧迫されることで症状が起こります。腰というよりはおしりから太ももの後ろ側、ふくらはぎのあたりがびりびりとしびれるように痛むのが特徴で、立っているとき、歩いているときに痛くなります。
進行すると、排尿・排便障害が起こることもあり、その場合は緊急手術となりますが、まずは薬や運動などによる保存療法から始めます。薬を使った治療では、血管を広げて血流をよくしたり、神経の興奮を抑えたりすることで、痛みやしびれをやわらげる薬が使われます。