社員の心身の健康維持が経営の優劣を評価する指標に

ストレスチェックは意味があったのか?『職場のメンタルヘルスを強化する』 吉野聡著 ダイヤモンド社 1600円(税別)

 企業のメンタルヘルス対策は、従来の「法令の遵守」、「企業の社会的責任」という消極的な目的から、「健康経営」という積極的に目指すべきものへと目的を変えつつある。

 経済産業省は、2014年から従業員の健康管理を経営的な視点でとらえ、戦略的に取り組む上場企業を「健康指定銘柄」として選定をしているし、上場企業に限らず大規模法人のうち、保険者と連携して優良な健康経営を実践する法人について、2020年までに500社を「健康経営優良法人(ホワイト500)」として認定することも決定している。

 もはや社員の心身の健康維持は、経営の優劣を評価する一指標となる趨勢なのである。

 より実際的なことを挙げるなら、社員の心身の不調が組織の生産性を低下させることは明らかになっており、健康経営に対する投資1ドルに対するリターンが3ドルになるとの調査結果もある。

 ぜひストレスチェック制度を積極的に活用し、職場のストレス要因を理解した上で、それを適切にコントロールできる働きやすい職場づくりを実践することで、働く労働者の心身の健康が良好に維持され、なおかつ高いパフォーマンスを発揮する「活性職場型」の組織マネジメントを目指してほしい。