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公開前のフェイスブックやツイッターの株が買える?
アメリカで急成長する未公開株売買サイトの正体

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第132回】 2011年2月3日
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 クレッグズリストを除いてどこもIPO間近とのうわさのある新興企業ばかりで、リンクトインはIPOの準備に入ったとも報じられている。買い手は、話題企業の未公開株を手にして、IPOが成功した暁に大きな利益を得ようというのだろうが、そうでなくとも公開市場に代わるもうひとつの市場として、こうしたサイトが株売買の舞台になり始めているということだ。

 フェイスブックに関しては、今年初めにゴールドマン・サックスが企業価値を50億ドルと弾いたことが話題となったが、その後、未公開株売買サイトでのフェイスブック株人気はますます高まり、その株価を元にすると、現在の企業価値は何と70億ドルに膨れ上がるという。

 しかし、未公開株売買サイトは、新興企業が非公開の立場を維持したまま資金調達ができる場所でもあるが、他方で頭痛の種にもなっている。こうしたサイトで株価がつり上がると、実際のIPOの際に適正な値段がつけにくくなる。また、社員が株売却をする際に秘密が漏れたりする危険性もあるからだ。

 ちなみに、セカンドマーケットは、投資銀行での経験を積んだバリー・シルバートが2004年に創設した。報道では、未公開株の取り扱いばかりに注目が集まるが、創業時からのこだわりは「非流動性資産の最大規模のセカンダリー市場を運営する」ことであり、未公開株ビジネスは全体のビジネスの1割以下だという。そのほかには、オークションレート証券、破産債権、債務担保証券、不動産担保証券、資産担保証券など多様な非流動性資産を扱っている。サイトへの登録自体は無料だ。不況でもへこたれないアメリカのダイナミズムは、こうした企業が支えている。 

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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