少なくとも、なんとか残す方策を提示しもせず、安易に全摘を勧めてくるような医師に、任せてはいけない。

相談を受けた夫は
方々に是非をたずねた

 病院を後にした千尋さんは、釈然としない面持ちで帰宅した。

 (他人の子宮だと思って、簡単に言わないでよ!)

 腹が立って仕方ない。

 確かに、生理痛は重たいし、時々流産かと思うほどの大きな血の塊がドロドロと便器に流れ落ちることがあり、貧血気味でもある。しかし、だから子宮を全摘しても構わないとは全然思わない。

 その夜、病院での顛末を聞いた孝太さん(仮名・45歳)も、千尋さんと一緒に腹を立てた。

「子宮は、男の前立腺みたいなものだよね。女性としてのアイデンティを示す臓器だよ。取っ払っても死にはしないと言ったって、絶対不都合はあるはずだし、そもそも身体にメスを入れるってこと自体、大変なことなんじゃないかな」

 子宮を全摘することで心配される不都合については、「女性ホルモンを産出する卵巣を取らなければ更年期障害が早く来るなんてこともないし、夜の生活に支障をきたすこともない」というのが定説だが、千尋さんは疑っている。

「うちは母も叔母も子宮筋腫で、叔母は子宮全摘手術を受けたのよ。それで完全に楽になるはずだったんだけど、実際は、つらいことの方が多いって聞いたわ。生理がなくなった代わりに40歳そこそこで更年期障害が始まったし、手術の痕もしょっちゅう痛むって。お医者さんは、卵巣を残せば女性ホルモンは出ているんだから、更年期障害が始まったのは全摘のせいじゃないと言うけど、女性の身体ってもっと、繊細なバランスで成り立っていると思うのよ」

 また、孝太さんに質問された産婦人科の医師は、次のようにアドバイスした。