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受験は算数偏重の時代に突入した。いまや中学入試の合否を左右するのは、配点の5割を占める算数だ。だが、算数のセンスがない我が子に、どう教えればいいのか…。算数オリンピック金メダリストを9年連続で輩出した「りんご塾」代表が、東大も求める“数学力”の育て方を明かす。※本稿は、りんご塾代表の田邉 亨『本物の算数力の育て方 子どもが熱中する「りんご塾」の教育法』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
難関校の入試に占める
算数の比重はウナギ上り
必要な知識とその応用を練習によって覚えれば、それ以上ムリすることはない。基本的な解法を丸暗記し、問題集を何度も解いて応用のしかたをパターンとして覚えれば、少なくとも落第することはないし、高望みしなければ受験だって突破できるはずだ――自らの実体験からそんなふうに考えている大人(とくに保護者)も、きっといることと思う。
しかし知識を暗記し、応用のパターンを身に付ける学習だけでは通用しない時代に、もう僕たちは足を踏み入れている。読者のなかにはきっと中学受験を意識している保護者も多いと思うので、受験を例に見てみよう。
そもそも中学受験は、俗に「算数が5割」と言われる。
算数以外の科目(たとえば国語、社会、理科)は、おおむね知識の暗記とその応用で解けるが、中学受験をする子は、たいてい塾に通って1日に何時間も受験勉強に費やしているから、知識と暗記が中心となる科目では点数にそれほど差がつかない。
出題者のほうはそれがわかっているから、競争が熾烈になるトップレベルの学校は、算数で推論が必要な問題ばかりを出題する。計算問題を出す学校もあるが、シンプルな問題など出ない。







