「働くことの意味って何?」子どもに突然聞かれたとき、デキる親はどう返答する?親は子にとって、最も身近にいる[「社会人の先輩」であるという意識を忘れてはいけない(写真はイメージです) Photo:PIXTA
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2026」の「26年卒&27年卒『就活と採用』の最前線」を転載したものです。 

就活は子にとって新しい人生の一歩であると同時に、保護者(親)にとっても子育ての集大成となるイベントだ。どんなキャリアを積みたいのか、そのためにどの企業を選ぶのか。親子で共有しておくべき就活の指針についてアドバイスする。(取材・文/古井一匡)

 日々のニュースからも分かるように、近年世界の政治、経済、安全保障の状況はかつて想像できなかったほど激しく揺れ動いている。

 この状況を表すのが、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなげたVUCA(ブーカ)というキーワードである。

 採用市場は売り手(学生)有利といわれるが、就職はまさにVUCAの中に乗り出していくことであり、「志望企業の内定が採れればひと安心」などという甘い認識を持っているようでは心もとない。

 とはいえ、就活は学生が一人で行うものではなく、企業の人事部門や面接官、大学のキャリアセンター、就職支援サービス企業など多くの人が関わる。

親が子に自分の考えを
押し付けるのは禁物

 その中には当然、就活生の保護者(親)も入る。わが子の就活は子育ての集大成。わが子が生まれてから今まで、その成長を見守ってきた親だからこそ知っている本人の個性や強みがあるはずだ。

 また、社会人の先輩として、働くとはどういうことか、キャリア選びではどのようなことで悩むのかなど、この機会にぜひ自身の体験を子に伝えてほしい。

 ただ、親の考えを子に押し付けるのは禁物。過去に親世代が経験した就活と今の子世代の就活は、取り巻く社会状況も企業のスタンスもスケジュールも大きく異なるからだ(図表1参照)。