実は、秘書が共通して持つ悩みの一つに、「目標が曖昧である」ことが挙げられます。

 たとえば、営業パーソンであれば、月に売上をいくらにする、マーケティング職の人であれば、市場のシェアを何%にする、といったように、目標をある程度数値化にすることができます。

 ところが、秘書はサポート役であり「見えない仕事」が多いため、目標を数値化にすることが難しく、それゆえ、目標が曖昧になってしまう傾向があります。また、何かしたことがおせっかいになってしまったり、相手との相性や感情的な面にも左右されたりするなど、その判断材料にはとても曖昧模糊とした部分が多くあります。

 もちろん、秘書のルーティンワークとして、上司のスケジュール管理や出張の手配、会議室の予約などがありますが、仕事は「見える化」しづらく、数値化できないことが多いのです。

自分で目標を立てられなければ
一人前にはなれない!  

 年始や上司が変わった時に、職務内容や目標の見直しが行われます。

 これは、赴任してきたばかりの役員(以下、A氏)と当時秘書であった私とのやりとりです。

A氏:「(目標設定シートを差し出しながら)今年後半の目標は、こんな感じでお願いできるかな」

私:「(白紙の目標設定シートを見て)えっ、これはどういうことでしょうか?」

A氏:「能町さんが、輝くのはどんな時?」

私:「えっ!?申し訳ありませんが、もう一度言っていただけますでしょうか?」

A氏:「この部署で、君は何をしている時が一番輝くと思う?」

私:「(沈黙)……」