ストレスにも、健康にも効く仮眠の驚くべき効果
仮眠には、脳をクールダウンさせる効果もある。ストレスを軽減するのだ。朝からフルスロットルで働き続けると、昼過ぎには脳がオーバーヒート状態になることも少なくない。すると、ケアレスミスが増えたり、ちょっとしたことでイライラしてしまう。
「さっきから電話に出てるのは自分だけだ。ほかの人も電話に出ろよ」
「ああっ。またミスした」
「それはそっちの仕事だろう。なぜ自分がやらなければいけないんだ」
このような些細なイライラが、さらに脳を追い詰め、疲れさせる。
必要なのは、思い切った仮眠だ。それも、イライラしているという自覚症状を持つ前の「先取り」の仮眠が必要になる。早めの仮眠で、一度、脳をクールダウンさせれば、つまらないことでイライラすることも少なくなる。
さらに、昼の仮眠は健康にもよい影響を及ぼすという実験結果がある。
2007年にギリシャ・アテネ大学のデミトリオス・トリホプロス博士が、昼寝と心臓病発症との関係性について調査を行った。
ギリシャの成人を対象としたこの調査で、週に3回以上、30分間の昼寝をすると、心臓病によって病死するリスクが37%低下することがわかったのだ。
午後に仮眠をとると、血圧が下がるため、心臓病や脳梗塞、糖尿病の防止にもつながると考えられている。
パフォーマンスを高めるだけでなく、健康にもいい仮眠。とらない手はない。拙著『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』では、数秒で取り組める仮眠など、あなたのライフスタイルに合わせて選べる「5つの仮眠」を紹介している。ぜひ参考にしてほしい。