岡沢 私は入社9年目なんですけど、入社当時にすごく劣等感を持っていたんです。同期や会社の仲間に比べて、自分はなんて「できないヤツ」なんだと感じて生きづらかった時期がありました。

 この本の中に、人生は他者との競争ではないという文脈で「人はみな同じ平らな地平にいて、前を進んでいる人もいればその後ろを進んでいる人もいる」ということが書かれていました。他の人より「上」を目指すのではなく、皆が「前」に向かって歩んでいけばいいんだと気付いて、その言葉に私は救われたんです。

岸見 劣等感を持つから前に進めないのではなく、前に進まないという目的のために劣等感を持つ。皆さん何度も読み返されていらっしゃるからお分かりだと思いますが(笑)。

 劣等感そのものは悪いものではありません。絶えず自分をより高めていく努力は必要です。でも、人と競争する必要はありません。他の人と同じことはできないのです。ですから、自分のペースで前に歩いていくことが大事です。他の人と競争しなければ、気持ちが楽になるでしょう。

岡沢 すごく楽になりました。

岸見 皆さんがこの本を読み込んでくださっていることが分かって、本当にうれしいです。今日はいかがでしたか。

宮本 あえて先生に「嫌われる勇気」を奮って(笑)、正直に言うと、本の中ではいいことをいっぱい言ってるけど、岸見先生は本当にできてるの? と思ってました。でも実際にお会いしてお話しさせていただいて、今日は何度も涙が出そうになりました(泣)。

 めちゃファンなんです。先生が私を救ってくれたように、私も部下にとってそういう人でありたいと思います。

鈴村 会社で賞をもらったことが自分の中でプレッシャーとなって、この賞にふさわしい自分にならなくてはいけない、といつも人と自分を比べていました。でも本を読んで、先生にお会いして、できない自分を認める勇気を持てた気がします。