◇不法就労をしながら娘を医者に育てあげた男

 日本の大学に進学するという丁 尚彪(ティン・シャンビャオ)の夢は、来日早々に砕け散った。彼が入学申請した日本人学校は、北海道の中でも人里離れた町で、人口激減と経済悪化により、日本人ですら職に就くのが難しいところだった。

 来日するために借金をつくっており、すぐにでも働かなければならなかった丁にとっては、東京に逃げ出すしか手段がなかった。しかし、東京の日本語学校への転出申請が許可されず、不法滞在者となってしまう。

 丁は自分が進学する夢を諦め、上海にいる娘を外国の一流大学に入れることだけを夢見て、必死に飲食店でアルバイトをして上海に送金しつづけた。その後8年が過ぎ、彼の娘は見事アメリカの名門大学に合格。娘はアメリカで救急科の医者になり、丁も15年間の不法滞在を終えて中国に帰国したのち、妻とともに訪米し、現在は娘と一緒に暮らしている。

 日本の企業文化について、中国と比較しながら丁はこのように話している。「日本の若者たちは、いくら不良でも、家庭がいくら恵まれていても、会社で働けばみんないうことを聞くし従順になる。辞職するのでも、穏便に離れられる」

 丁は今でも、ホテルの厨房で雑用、野菜洗い、皿洗い、掃除となんでもやり、アメリカ人とともに働いている。

【必読ポイント!】
◆国の同胞に伝えたい
◇日本報道の最前線で奮闘する日々

 李 淼(リー・ミャオ)は香港のフェニックステレビの華人女性記者であり、同時に東京支局長でもある。東日本大震災のとき、泣きながらニュースを伝えた李は、大災害のときでも冷静さを保つ日本人の震災対応を見て非常に驚いたという。

 李によれば、日本での生活はとても安心できるが、外国人に対しては偏見があり、物価も高く、社会のテンポが早すぎるとのことだ。

 また、李はこれまで何人もの日本の要人に取材しているが、とりわけ印象的だったのは鳩山由起夫だったそうだ。李とのインタビューのなかで、鳩山は当時の菅直人首相の新しい外交政策をストレートに批判し、とても大きな反響を呼んだ。日本国内では鳩山氏はフェニックステレビに利用されたとの声も出たが、彼女は全く正常な取材行為だったとし、メディアとして重要なことは真実の声を届けることだと強調している。

◇道理を学びながら日本で大成した肖像画家

 画家の張 強(チャン・チアン)は天皇陛下をはじめ、政界、財界、文芸界、スポーツ界など数多くの有名な日本人の肖像画を描いてきた。中国でもすでに有名な画家だった彼は来日後、日本大学芸術学部の芸術研究所に入った。