東京オートサロンは第1回が1983年なので歴史は古い。量産車をたんなる“お仕着せ”と考え、それに飽き足らないクルマ好きにアピールするカスタムカーのエクスポとして例年大きな人気を博している。
当初はチューニングやボディカスタマイズの個人ショップ、それにホイールやタイヤやエンジン部品のメーカーが中心。のちにクルマ好きが集まることに注目したメーカー各社が新車のお披露目を行うまでに成長した。
幕張メッセで開かれた2017年のショーは、トヨタとLEXUS、それにスバルはモータースポーツの展示に注力。いっぽうダイハツやホンダやスズキは、楽しくドレスアップしたコンパクトモデルを多く並べていた。
最も印象的だったのは最新のCIを使いブラックで統一した空間づくりをしたマツダである。「少し地味だった気がしないでもない」と担当のデザインディレクターは控えめだったが、そこに置かれた新型CX-5や新色のあざやかなレッドの車体を持つロードスターが映えていた。
個人経営のショップはこのショーの主役で、展示車両を見ていると世のなかのトレンドが見えてくる。まさに古今東西のクルマが並ぶが、今回もハイエース改造車両がとくに目についた。
リムジン仕立てなど贅沢さの競い合いによって来場者を集めたいっぽう、荷室を設けてキャブオーバー型にしたり、米西海岸のストリートロッドを意識した“ウッディ”ふうにしたりスタイルは千差万別だ。
もうひとつの華は女性陣である。各社のブースに露出度高めの女性が配され、来場者のカメラの砲列に笑顔を向けていた。
コンパニオンと呼ばれる女性たちが減る傾向にある東京モーターショーに対して、東京オートサロンが活気を感じされるのはこういうところにも理由があるのだ。