ヒックス夫妻が「引き寄せの法則」で重視しているのは、「常にいい気分でいること」です。なので、提案される数々の実践法の中には、引き寄せの法則に関心がない人、あるいはまったく信じていないという人でも、今すぐ実生活に役立てられるものが多くある。
今回はその中から、ノートに書くだけで感情のコントロールを可能にしてしまう実践法を紹介しよう。

プラス面を記すノート

 この「プラス面を記すノート」のプロセスは、次のような場合に効果を発揮します。

*あなたの中を気分のいい感情が流れていると感じ、その気分のいい前向きな波にできるだけ長く乗っていたいとき
*いつも関心を向けている対象がいい気分をもたらさないと気づいて、その対象に関する気分を改善したいとき
*焦点を定めている対象は大方は気分がいいが、まだいくつか不快な事柄があるとき

 このプロセスは、あなたの現在の気分が、「感情のスケール」(詳しい説明は第3回を参照)の1~10の範囲にあるときに特に効果があります。

1.喜び/気づき/力があるという感覚/自由/愛/感謝
2.情熱
3.熱意/意欲/幸福
4.前向きな期待/信念
5.楽観的な姿勢
6.希望
7.満足
8.退屈
9.悲観的な姿勢
10.不満/苛立ち/焦り


あなたの現在の気分の目安となる「感情のスケール」。スケールの上に行くほど気分がいい状態にあり、スケールを下るほど不快な気分となってくる

 このプロセスによって、あなたの明晰な思考力および“自分は生きている”という感覚もよりはっきりと感じられるようになるでしょう。

 まずは、手に持った感じがよく、書き心地も使い勝手もよさそうなノートを用意します。そのノートの表紙に「プラス面を記すノート」と書きます。

 1日目はこのプロセスに20分以上時間をかけるとよいでしょう。
 2日目以降は細切れの短い時間でもかまいません。

 ノートの1ページ目の最初に、いつも気分をよくしてくれる人や物の名前、あるいは簡単な説明を書きます。大好きな猫、親友、好きな人の名前などです。お気に入りの街やレストランの名前でもよいでしょう。その名前や説明に焦点を合わせ、次のように自問します。

「(その人や物の)どこが好きなのか?なぜそれほど好きなのか?よいところは何か?」

 浮かんだ考えを書き留めます。無理にひねり出そうとせず、流れ出すままに紙に書いていきます。思考の流れが止まるまで書いたら読み返し、自分の言葉を味わいましょう。

 次のページを開いて、また別のあなたの気分をよくしてくれる人や物の名前、あるいは簡単な説明を書き、20分間、同じことを繰り返します。

 他にもノートに記入したくなる名前や説明がどんどん浮かんでくるかもしれません。その場合は別のページの最初にそれを書きます。
 時間があれば、「どこが好きなのか?なぜそれほど好きなのか?よいところは何か?」を考え、時間がなければ翌日再開したときに答えてください。