自宅を購入する前に不動産投資をしていると、住宅ローンが引けずに持ち家の取得を断念せざるを得ない人が頻出する。そのくらい不動産投資は儲からないと考えた方がいい

 自己破産する家主が増加しているという。節税を伴わない不動産投資は儲からない確率が高いので、私は勧めていない。自宅を購入する前に不動産投資をしていると、住宅ローンが引けずに持ち家の取得を断念せざるを得ない人が頻出する。そのくらい不動産投資は儲からないと考えた方がいい。なぜ持ち家がOKで投資がNGなのか、その理由を明らかにしておこう。

不動産投資は儲からない?
購入前に事業収支を必ず計算

 不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われる。ある程度リスクもリターンも購入前に想定できるということだ。リスクは賃料下落・空室・売買価格の下落などであり、リターンは賃料収入になる。わかりやすく表現するには、いつも以下の簡易な方程式で説明している。

●不動産投資の新方程式:収支=利回り-金利-税金-譲渡損益

 自宅購入と不動産投資を対比させて説明するのが一番わかりやすい。

 利回りは自宅の場合、自分が住んでいるので100%稼動しているが、投資は空室リスクがある。金利は自宅の場合は1%未満と低く、投資の場合は3~4%になるケースがある。

 通常の自宅マンションの利回りが4%ほどなので、金利で3~4%もあるとすでに利鞘がなくなっている計算になる。

 税金は自宅はかなり優遇されている。ローン控除や固定資産税などの軽減や譲渡所得(売買益)控除まである。これに対して、投資は重税で賃料収入(法人税・所得税)や売買の時点(不動産取得税・登録免許税)や保有期間(固定資産税・都市計画税)に渡って多額にかかる。つまり、税引き後の利回りから金利を引いたら、マイナスになっているケースもある。

 譲渡損益はたいていがマイナスになる。特に、新築ワンルームを購入した人ほど下がりやすい。5年経過で25%価格が下がるのがこれまでの平均値だ。この下落スピードは1年換算で5%だから早過ぎる。

 これらを総合すると、自宅マンション購入の損益は50:50の確率になるのに対して、新築ワンルーム投資は90%以上の確率で利益が出ない。どちらも不動産事業収支のソフトに数字を入れてシミュレーションをすれば、答えはすぐわかる話だ。だからこそ、事前に事業収支を必ず計算すればリスクを認識することができる。