経営×経理
土井貴達(どい・たかみち)
1973年生まれ。関西大学商学部卒。公認会計士・税理士。 土井公認会計士・税理士事務所代表。2012年に大手監査法人金融部を退所し、独立。 監査法人勤務時代に実施していた取引先企業への貸付金、有価証券の査定業務に係る監査、 コンサルティング業務などを通じてあらゆる業種に精通。 独立後も、企業融資のサポートを得意としている。 独立直後からクラウド会計の導入を始め、クライアント企業への導入サポートは数十社に及ぶ。

土井 OKK FOODSの従業員は9名ということですが、従業員数がもっと多いところでも、その導入の順番は変わりませんか?

高島 従業員数が多い会社では、全社一斉ではなく、部署ごとに導入するのがベターではないでしょうか。それも、導入しやすい部署から順々に入れていくことが重要だと感じます。全社一斉に導入すると、部門の特性によって各部署でさまざまな問題が出てくるので、課題が噴出してしまい、クラウド化自体に無理があるという意見が生まれがちです。ですから、経理など導入しやすい部署から課題をていねいにあぶり出し、それを踏まえて他の部署にも導入を進める、という形が結果的に効率的だと思っています。また、クラウド化後の新しい業務フローを既存の業務フローに落とし込む際は、従業員数と拠点数がポイントになります。たとえば、全国に支社を持つ企業が一気に導入することは困難でしょう。遠隔指導できる環境が整っている場合は別ですが、現地を回って指導できる人がいないといけない。また、トップダウンで物事を決める会社であることも、このような変革では重要だと思います。

米津 そういう意味では、規模の小さい会社のほうが、導入のハードルは低いと言えそうですね。

土井 焼肉店は現金商売ですが、その経費はどう処理されているのでしょうか?

高島 エクセルで組んだ現金出納帳を使っています。小型のスキャナー*を揃えたので、今後は領収書などを読み取らせて自動化していく予定です。

米津 OKK FOODSはイベント出店をよくされているようですが、そのときの売上はどうされているんですか。

高島 予備のタブレットレジを持っていきます。タブレットレジは持ち運びが楽なので、機動的に出張営業ができる利点があります。出張営業先の売上も遠隔地からリアルタイムにチェックできるのも大きなメリットです。また、従業員が直行直帰になるイベント出店では、クラウド型勤怠管理システム*の携帯電話のGPSを使った時刻入力(打刻)機能を活用しています。従業員の現在地がわかるということもあって、オーナーは安心できるようです。

Special Columns

土井貴達 どい たかみち

1973年生まれ。関西大学商学部卒。公認会計士・税理士。 土井公認会計士・税理士事務所代表。2012年に大手監査法人金融部を退所し、独立。 監査法人勤務時代に実施していた取引先企業への貸付金、有価証券の査定業務に係る監査、 コンサルティング業務などを通じてあらゆる業種に精通。 独立後も、企業融資のサポートを得意としている。 独立直後からクラウド会計の導入を始め、クライアント企業への導入サポートは数十社に及ぶ。

米津良治 よねづ りょうじ

1983年生まれ。上智大学法学部卒。税理士。税理士法人ファーサイト・パートナー。上場企業にてIR職、経理職等を経て現職。企業勤務時代に社内横断の業務プロセス改善プロジェクトの中心メンバーとして活動したことをきっかけに、業務効率化にこだわりを持つ。早くからクラウド会計の優位性に着目し、研究を開始。わずか1年で30社以上のクライアントにクラウド会計を導入した実績を持つ。

河江健史 かわえ けんじ

1979年生まれ。早稲田大学商学部卒。公認会計士。河江健史会計事務所代表、FYI株式会社代表取締役。 監査法人、証券取引等監視委員会等での勤務を経て現職。 「クラウド会計は人材不足に悩む中小企業の救世主」という思いのもと、クライアントへの導入を進める。 主な共著に『リスクマネジメントとしての内部通報制度:通報窓口担当者のための実務Q&A』(税務経理協会)、 『国税庁「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組み」徹底対応 税務コンプライアンスの実務』(清文社)、 『インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社)などがある。


「クラウド会計」は経営の生産性をどれだけ上げるのか?

2012年頃に登場し、わずか5年で100万社以上の企業が導入している「クラウド会計」。GmailやDropboxがあたりまえのようにビジネスの現場に普及しているように、今後、会計・請求・給与・経費精算などのバックオフィス系だけでなく、 顧客管理や在庫管理などあらゆる経営リソースがクラウド化していくことは間違いないと見られている。本連載では、クラウド会計をどう活用するか、企業の事例を中心に『会計事務所と会社の経理がクラウド会計を使いこなす本』(ダイヤモンド社)の著者の3人の税理士がインタビュアーとなって紹介する。

「「クラウド会計」は経営の生産性をどれだけ上げるのか?」

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