「そうなの!それじゃあ急がなきゃね!」
「なにしてるのよっ 早くしないと陽がのぼるでしょっ!」

 と、撮影に前向きになりました。

食事のお誘いでも効果抜群!
伝え方のレシピ「相手の好きなこと」

 この「相手の好きなこと」は、伝え方の技術の中でも“王道”といえる技術です。どんなときにも使えます。例えば、食事のお誘い。まったくあなたに興味がない人がいたとして、その人をデートに誘う時のコトバを想像してみてください。

「デートしてください」

 このように直球で誘う人が多いかもしれませんが、これではあなたのメリットでしかありません。興味がないあなたの誘いに乗る可能性は、とても低いですよね。

 いったんあなたのお願いから離れて、相手の頭の中を想像してみましょう。何が好きで、何が嫌いか、どんな性格か…わかりうる相手の基本的な情報を思い出してみましょう。

 例えば、相手が「パスタ好き」であるという情報があったとします。そのうえで、このように伝えたら、どうでしょう?

「驚くほど旨いパスタ、食べに行かない?」

「どんなにおいしいパスタなんだろう…」と相手は思わず興味を惹かれるでしょう。「パスタ好き」だったらなおさらです。

「相手の好きなこと」をもとに伝え方を作ったことで、デートの誘いが相手のメリットへと変わりました。同じ目的のお願いですが、このように伝え方の技術を身につけるだけで、もともと「ノー」だったものを「イエス」に変える可能性がぐんと上がるのです。

 大切なのは、“相手の文脈”で伝え方を考えることです。つまり、お願いを相手に、「イエス」となるものにすれば、結果的にあなたの求めていることが達成できるのです。

 この「相手の好きなこと」は、私たちの日常生活に取り入れやすい技術なので、ぜひ覚えておいてください。

「どうしても叶えたいお願いがある!」
そんなとき、「伝え方」一つで、「イエス」をもらえる方法があります。
それが「イエスに変える7つの切り口」です。
今回は、「相手の好きなこと」を解説いたしました。

(1)相手の好きなこと
(2)選択の自由
(3)認められたい欲
(4)あなた限定
(5)チームワーク化
(6)嫌いなこと回避
(7)感謝

佐々木圭一(ささき・けいいち)
コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師 上智大学大学院を卒業後、97年大手広告会社に入社。後に伝説のクリエーター、リー・クロウのもと米国で2年間インターナショナルな仕事に従事。日本人初、米国の広告賞One Show Designでゴールド賞を獲得(Mr.Children)。カンヌ国際クリエイティブアワードでゴールド賞他計6つ獲得、など国内外55のアワードを入賞受賞。福岡県クリエイティブディレクター、シェラトンJAPANクリエイティブディレクター、などブランディング、広告CM制作多数twitter:@keiichisasaki Facebook:www.facebook.com/k1countryfree HP: www.ugokasu.co.jp