会場決定の経緯に疑問符

 霞ヶ関CC最大の“欠陥”、それは五輪憲章がうたう「レガシー」になり得ないという点だ。レガシーとは五輪後も市民に広く使用される「社会的遺産」のことだが、霞ヶ関CCは、会員の同伴がないと一般のゴルファーは入場できない。一方、若洲GLは会員制ではなく、誰でもプレーできる。加えて霞ヶ関CCは女性が正会員になれず、五輪憲章が定める“差別”に当たる可能性もある。

 若洲GLにも問題はある。霞ヶ関CCより規模が小さく、プロ大会の開催実績も乏しい。しかし、プロゴルファーのタケ小山氏は「五輪の目的は『競技の普及』で、プロの試合と異なる。若洲GLの規模でも、試合は十分成立する。そもそも2016年招致運動のときの会場予定地は若洲GLだったのに、20年招致運動中の13年、日本ゴルフ協会(JGA)の上層部が、密室的に霞ヶ関CCへと変更した」と憤る。ちなみに、この変更に関わった人物たちは全員、慶應義塾大学出身。慶應義塾高校同窓会報誌「JK」の15年春号で「ゴルフ競技会場決定の舞台裏」と銘打ち、誇らしげに語り合っているが、慶應出身の4人で決めたと言わんばかりで、正直きな臭いと思われても仕方がない。

 とはいえ、本誌の取材に対して組織委員会は「五輪会場はすでに決定済みと認識している」とコメントしており、既定路線を覆す道のりは非常に険しそうだが、新国立競技場のような例もある。今後も事態の推移を見守りたい。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 野村聖子)