現在は中国のECサイト「Taobao」(アリババグループ)などでの取引が急激に伸びていて、いつ見てもどの店でも箱詰めやパッキングに忙しい。オンラインが伸びてもリアル市場の意味がなくなったわけではなく、歩き回って店主と話して情報交換したり、「どうしても明日からの製造のために500個だけ必要」といった急場の需要を満たしたりする用途があり、ECがもっと伸びても、完全になくなるというものではなさそうだ。

 そして、もちろんこの電気街があることは新しいガジェットの発明家にとってもこれ以上ないメリットになっている。数時間歩き回れば、「世の中にどういうパーツがあるか」が一目瞭然にわかり、かつ問屋や製造元に相談までできるのだ。

(上)山のように売られるステッカー。「品質保証」「クオリティチェックOK」「認証番号xxxx」「容量32G」のようなシールも売られている。買ってみたら容量が少なかった、というのはこういうところでシールだけ買って貼り付ける行為から生まれるのだろうか。もちろんオーダーメイドが中心で、置いてあるのは「こういう印刷もできます」という見本 /(下)華強北にはプリント基板(PCB)の製造を受け付ける店もある。この電気街でモジュールを買い、自分のラップトップで基板の設計をしてここで制作依頼をすれば、特急だと翌日には基板ができている 拡大画像表示

 深セン周辺の巨大な製造業エコシステムがあるかぎり、部品屋としての性質はなくならないのだろう。同じアジアの電気街として挙げられる香港の「深水埗」やタイの「マーブンクロンセンター」などではこうしたパーツやモジュール類を見ることは少ない。

華強北では、米相場や原油価格のように、電子部品の価格がインデックスチャート「華強北指数」になって公式サイトで日々発表されている。世界の電子パーツの市場がわかる街だ 拡大画像表示