スズキの原山保人副会長も、トヨタとの提携覚書締結時の会見で、「トヨタの『オープン化』にスズキが一緒になることがいかに重要か。オープン化の世界が広がっていき、業界標準化にも一緒に組んでいかなければならない。これから、より具体的な協力関係を進化・拡充していく」と述べている。

 このように、いまや自動車メーカー間の提携や連携協力にとどまらず、電機・IT(情報技術)・AI(人工知能)の異業種企業との提携が重要になっているし、先進技術のグローバルスタンダードへの先陣争いも熾烈だ。

400万台クラブから
1000万台クラブの時代へ

 今回、トヨタがスズキまでグループに入れることで、トヨタ協業連合は、年間世界販売台数の合計で1800万台にまで広がり、ホンダは単独で500万台の規模とグローバル生産・販売での彼らの差はさらに大きくなる。ルノー・日産連合も三菱自を加えて1000万台規模となった。

 かつて1990年代末の「自動車世界大再編」で生き残れるのは400万台規模の「400万台クラブ」と言われた。当時、これに反発したのがホンダのトップだった。いわく、「『400万台クラブ』なんて何の根拠もないし、ウチは生き残って見せる」。

 あれから20年近くが経ち、今や「1000万台クラブ」と言われる時代だ。カルロス・ゴーン・日産社長は「三菱自動車が加わってルノー・日産アライアンスは1000万台規模になり、世界のトップに伍するものとなった」と胸を張り、さらに独ダイムラーとの協業も広げる構えを示している。

 確かにトヨタグループに独VWグループと復活してきた米GMが1000万台規模を固めて世界トップ3となっていたが、これにルノー・日産連合が加わる構図となった。この中でトヨタグループはスズキまで含めると、1800万台連合と他を大きく引き離すものとなる。

 ただ、スケールメリットが勝ち残りの道に繋がるのか、ホンダのように異業種企業との戦略的協業が成功するのかどうかは未知数だ。

 いずれにしても、米トランプ政権の動向の見極めなども含め、自動車産業を取り巻く環境は激変している。その中で自動車各社はサスティナブル・モビリティの方向を模索していくことになるだろう。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)