お金のようにギャンブルをしてしまうきっかけになるものは、ほかにも数多くありますが、私はこれらをまとめて「THE・TPO」と呼んでいます。以下のような要素をできるだけ生活のなかから排除することが依存の回路を回さない環境づくりのためには重要です。

 T:ツール(道具)打つためのお金、お店に行くための車など
 H:ヒューマン(人)一緒に行く人、パチンコの雑誌を見せてくる人など
 E:エモーション(感情)職場や家庭でのストレス、孤独感や寂しさなど

 T:タイム(時間帯)ノー残業デーの帰り道、休日の空いた時間など
 P:プレイス(場所)お店がある場所、ギャンブルの雑誌がある場所
 O:オケーション(状況設定)上記のT・H・E・T・Pの組み合わせ

 これらを徹底的に、できうる範囲内で日常から排除、解決していくのです。

 例えば、日曜日の暇な時間帯(T:タイム)にギャンブルをやってしまう傾向がある人は、その時間にジムに行く習慣をつけてパチンコができないようにするといった対策が考えられます。また、パチンコ店が通勤ルートにあり(P:プレイス)目に入るとやりたくなってしまうという人は、通勤ルートを変えてその道を避けるという対策をとることができるでしょう。

 もうひとつ重要なのは、「自分でもう一つブレーキを作る」ということです。これを私は「二次ブレーキ」と名づけていますが、前頭前野が機能停止をしても大丈夫なようにしておくのです。

 簡単に言うと、いつもパチンコ店の前を迂回して通勤している人が、偶然出張などでパチンコ店を見つけてしまったら、「あっ、と思ったその瞬間に、180度後ろを向いてその場を離れられるようダッシュする」とあらかじめ決めておくのです。こうすることで、欲動のアクセルが暴走してしまうその前に、問題行動を防ぐことができるのです。

 私の行う治療では、実際にパチンコ店を見つけてしまったと仮定して、ダッシュするロールプレイングも行っています。何度も練習することで、この二次ブレーキのかけかたを覚えこませることが大切です。