心が折れそうなときはどうモチベーションを保てばいいか?

―――地道な努力を継続するのは、実際にはなかなかつらいと思うのですが、心が折れそうになったことはありませんか?

中西 もちろんありますよ。僕は9年間Jリーグにいたんですけど、じつはベンチに座っていることがすごく多いサッカー人生だったんです。

 でもそれを監督のせいにしても、試合に出してもらえるわけじゃない。だったら自分が変わるしかない。

 必ず自分にしかできないことがあるという感覚はあったんです。それで、「自分には何が求められているんだろう」「どうやったら試合に出られるんだろう」といったことを必死で考え、直接監督に聞きに行ったりもしました。

 大事なのは、何か疑問が生まれたときにそのままにしておかないことだと思うんですよね。

―――そのあきらめない精神は、天性のものですか!?

中西 いや、子どものころはすぐあきらめて投げ出してました。変わったのは高校生のときです。僕らが高校生のころは、サッカーをやっている人は皆、高校選手権に出るのが目標だったんです。でも僕が行った高校にはサッカー部がなかったんです。それで僕は愛知FCというチームに入ったんですけど、このチームの練習が週に3日しかなくて。毎日練習している人より圧倒的に少ないわけですから、とにかく走り込みをしなきゃと思ったんです。

 ただこれは自分でやっている練習ですから、ラクしようと思えばいくらでもできる。でもラクしていたら、上手くはなれない。そこで初めて、自分で自分をどこまで追い込めるか、ということを身をもって学んだんです。