9月の発売以来、わずか2ヵ月で14万部を突破した世界的ベストセラー『やり抜く力』(ダイヤモンド社)が話題だ。IQや才能など生まれつき備わっている能力よりも、「粘り強さ」と「情熱」をあわせもつ「やり抜く力」こそが人生には大切で、しかもその力は強化できることを解き明かした本書は、「勇気が出た」、「希望が持てる」などの感想とともに、ビジネス、教育、スポーツ界から熱い注目を集めている。

IQでもない、才能でもない。「やり抜く力」が必要だ。

 著者のアンジェラ・ダックワース氏は、米国のペンシルベニア大の心理学教授だ。ハーバード大を卒業後、コンサルティング会社のマッキンゼーに就職しながらも、より大きな目的とやりがいを求め、教員に転職する。そこでたくさんの生徒たちを指導するうちに「IQや才能よりも重要な、成功するためにもっとも大切な力」があることに気づく。そのテーマを追究するために、さらに心理学者に転身したという異色のキャリアをもつ。

 オリンピックでメダルを獲得した世界の第一線で活躍するアスリートたち、難関大学以上に入学が難しいとされている米国陸軍士官学校の士官候補生、16歳までの少年少女が参加する英単語のスペルの正確さを競う大会で最後まで勝ち上がる子どもたち……

 さまざまな「超一流たち」を対象にした研究データを分析した結果から明らかになったこと。それはIQよりも、才能よりも「やり抜く力」こそが「成功できる」か「できない」かを分ける最も大切な力だということだった。

 それでは早速、あなたの「やり抜く力」を診断してみよう。「やり抜く力」研究のためにダックワース教授が開発した「グリット・スケール」が次の質問だ。