中国の高速鉄道の
泣きどころはソフト面

 もう一つの提案は、中国の高速鉄道事業を中国国内でのビジネスだけではなく、世界に広がっていくビジネスチャンスととらえてほしいというものだった。

 世界各地に進出しようとする中国高速鉄道建設の今日の動きはまさにその提案の先見性を証明している。

 しかし、ここまで発展してきた中国の高速鉄道にも、まだまだ泣きどころがいっぱいある。アジア最大の規模と自画自賛している高速鉄道の杭州駅を見ると、トイレの狭さと言ったら、絶句するとしか表現のしようが見つからない。

 高速鉄道の駅前の交通秩序を維持するため、タクシーなど車の近寄せを物理的にさせない駅が多いことにも、ある種の絶望感を覚えている。

 駅内の乗り換えの難しさも世界有数と言っても過言ではない。

 高速鉄道駅の管理というソフト面では、日本との差は決して小さなものではない。いろいろな場で、日中経済交流はハードからソフトへ移行していると私は主張している。中国の高速鉄道事業はもう一回、謙虚に日本の新幹線に学んでほしいと思っている。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)