「社会人ならば、経済学の基本的な知識くらいは知っておきたい」。そう考える人も多いのではないか。しかし、基本的な知識といっても幅は広い。社会人として、最低限知っておくべき経済学の常識とはどの程度のものなのか?この点について、『会社に入る前に知っておきたい これだけ経済学』の著者・坪井賢一氏に教えてもらった。
社会人が知るべき経済学は「1%」だけ
1954年生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業。78年にダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集部に配属後、初めて経済学の専門書を読み始める。編集長などを経て現職。桐蔭横浜大学非常勤講師、早稲田大学政治経済学部招聘講師。主な著書に『複雑系の選択』(共著、1997年)、『めちゃくちゃわかるよ!金融』(2009年)、『改訂4版めちゃくちゃわかるよ!経済学』(2012年)、『これならわかるよ!経済思想史』(2015年)、『シュンペーターは何度でもよみがえる』(電子書籍、2016年)(以上ダイヤモンド社刊)など。最新刊は『会社に入る前に知っておきたい これだけ経済学』
これから経済学を学びたい、という社会人の方にまず言いたいのは、膨大な経済学の大系を前にして、すべての知識を学ぶ必要はないということだ。
私は大学を卒業後、ダイヤモンド社に入社し、「週刊ダイヤモンド」の編集長などを経て、現在は取締役に就いている。また、定期的に大学で初級の経済学全般を教えている。
ビジネスに必要な経済学、そして学問としての経済学の両方に関わっていて断言できるのは、社会人として知っておくべき、そして仕事や生活に生かせる経済学の知識は「全体の1%程度」に過ぎないということだ。
しかし、この1%を知っているかどうかでは大きな差がある。1%の経済知識は、あなたがこれから働いていく長いみちのりで欠かせない知識となる。
この1%を解説したのが、拙著『会社に入る前に知っておきたい これだけ経済学』である。社会人が知っておくべき経済学の常識ベスト30をまとめた。今回は、本書の中から、そのひとつをかんたんに紹介しよう。