世界が参考にしている現代版のイノベーションの指針
OECD(経済協力開発機構)は、各国がイノベーションの現状を測定し、将来像を描くために参考となるよう、以下のガイドライン(オスロ・マニュアル)を設けて公表している。
OECDのオスロ・マニュアルでは、シュンペーターの5つのイノベーションを要約し、4つにまとめている。シュンペーターの5分類から「新しい買い付け先の開拓」を削除したものだ。21 世紀のグローバル経済では、マーケティング・イノベーションに包摂されると考えたのだろう。
21世紀に入って一番驚いたイノベーションは、2001年のアップルのiPod(iTunes)だ。プロダクト・イノベーション(製品・サービスのイノベーション)としては新しくない。すでに似たような製品はたくさんあった。
しかし、プロセス・イノベーション(生産・流通のイノベーション)はすごい。音楽の流通をレコード(CD)のような物理的なメディアからネット上のデリバリーに変え、記録した音源情報をメモリに入れて持ち歩くという革新的なアイデアで、これは腰が抜けるほどの新機軸だった。
最近では、人工知能(AI)の開発競争が世界で激化しているが、AIを何と結びつけるかで新しい市場の可能性は広がる。自動運転車、介護ロボットなどはすでに開発が進んでいる。