ビジネスパーソンにとって「経済学」は必須の教養である。では、なぜそんなにも必要となるのだろうか?『会社に入る前に知っておきたい これだけ経済学』の著者・坪井賢一氏に、ビジネスパーソンが経済学を学ぶ必要性について、その理由を教えてもらった。
経済学を知ることは、ビジネスの原理を知ること
ビジネスパーソンにとって「経済学」は必須の教養である。基本的な知識を知らなければ、仕事の質や考え方において、同僚と大きな差がついてしまう。
経済学は、ビジネスの「原理」が知るために大切な教養だ。「ビジネス」であれば「経営学」のほうが役に立つのでは、と思う人も多いかもしれないが、経営学は経済の原理(法則)を知ったうえで、その状況をどう脱するか、またはどう高めるかといった戦略的な話である。原理を知らなければ、戦略の話もわからないのだ。
つまりビジネスにおいて、経済学は基礎の基礎となる学問なのである。経済学の必要最小限の知識を知ることで、ビジネスの原理を理解でき、仕事でのモノの見方や考え方も大きく変わる。
たとえば、経済学には「限界効用逓減の法則」がある。これを知っていると、生産計画の考え方がわかってくる。効用とは満足度、欲望の強さ、という意味である。ここでいう「限界」はリミットのことではなく、マージナル(端っこ)である。つまり、追加1単位当たりという意味だ。経済学では「限界○○」という用語が頻繁に出てくるが、すべて「追加1単位あたりの増加分」を指す。つまり限界効用逓減とは、追加1単位当たりの効用(満足度)が逓減する(だんだん減っていく)ことである。