米ロ関係を悪化させる
未解決のウクライナ問題

 BBCニュース2月27日付は、「第1ラウンドは、中国の勝利」と書いている。一方、トランプのロシアへのスタンスも変化してきた。

 トランプが「親ロシア」「親プーチン」であることは、世界中で知られている事実である。トランプは1月7日、ロシアの「選挙介入」を認めながらも、「ロシアとの良好な関係維持に反対するのは『バカ』で『愚か者』だ」とツイートした。
 
 とはいえ、トランプ政権における「プーチン」「ロシア」の立場は、悪化しつづけている。主な理由は、「ウクライナ問題」だ。14年3月、ロシアはクリミアを併合した。翌4月、ロシア系住民の多いウクライナ東部ルガンスク、ドネツクが独立を宣言。ウクライナ新政権は当然これを許さず、内戦が勃発した。

 15年2月、ロシア・プーチン大統領、ドイツ・メルケル首相、フランス・オランド大統領の仲介で、ウクライナとルガンスク・ドネツク州の和平が実現した(ミンスク合意)。

 ところが、ウクライナと東部親ロシア派の戦闘が再び始まったのだ。「どちらが戦闘をはじめたのか」の真実を知ることは難しい。ウクライナは「ロシアがはじめた」といい、ロシアは「ウクライナがはじめた」と主張している。しかし、論理的に考えれば、「米国との和解による制裁解除」を目指すロシアが、ワザと状況を悪化させるのは不自然だ。

 一方、ウクライナには「トランプがプーチンと和解すれば、ウクライナは捨てられる。対立を煽り、米ロ関係を悪いままで維持しなければならない」という動機が存在する。

 真相はわからないが、いずれにしても、ウクライナ情勢が再び悪化した。米国は、これまでウクライナ新政府を支持してきたし、ポロシェンコ大統領を「腐敗したヤヌコビッチ政権を倒した善なる存在」として扱ってきた。だから、ウクライナと東部親ロシア派が戦闘をはじめれば、いかに親ロシアのトランプといえども、ウクライナの味方をせざるを得ない。

 米国のヘイリー新国連大使は2月2日、国連安保理で超重要発言をした。

「クリミアは、ウクライナの一部です!」
「クリミアをめぐり、わが国が科した制裁は、ロシアが同半島の統治権をウクライナに返すまで継続するでしょう」