帝国データバンク(東京都港区)が6日に発表したデータによれば、震災関連倒産は4月末時点で66件に達した。その理由として最も多かったのが「消費自粛のあおりを受けた間接被害」(30.3%)だ。

 震災後に各メディアやネット上で広がった論争はいくつかあるが、その中のひとつが「自粛」関連だろう。石原都知事が「一杯飲んで歓談するような状況じゃない」と自粛を呼びかける内容の発言をしたのは3月29日。しかし反対に、「経済活動を停滞させるので自粛しないでほしい」という被災者からの声も報道された。そんな被災者の心情を汲んでか、各地方で春から夏にかけての祭りの自粛も相次いでいるその中で「仙台七夕まつり」(8月6日~8日)は「復興と鎮魂のため」に開催を決定している。

 このように列島が自粛派と反自粛派に分かれる中、自粛派はどのような理由でそうした行動に至っているのだろうか。電通(港区)が4月27日に発表した調査「震災一ヵ月後の生活者意識」を紐解くと、震災後に何らかの自粛を行った人たちのさまざまな「自粛する理由」とその背景が明らかになった。

 調査は全国47都道府県に住む20~69歳の男女2000人を対象に行われた(国勢調査の性×年代別人口構成比に基づき割付)。実施日程は4月11日~12日。インターネットによる調査。

自粛意識が強いのは
男性より女性、若年層より高齢層

 調査によれば、自粛意識を「かなり持っている」と答えたのは全体の12.8%。「やや持っている」と答えた人は50.8%だった。「あまり持っていない」、「まったく持っていない」はそれぞれ29.5%、7.1%。地域別に見ると東北と関東甲信越で自粛傾向が強く、男性よりも女性、若年層よりも高齢層で自粛意識が高いことがわかった。