ご自身の就活時を振り返り、恩師からどのような就職指導を受けてきましたか?

 2000年代に私が会社員として働いていた時、ミスをすると厳しく叱る会社でした。叱られ慣れした同僚も多く、社員の育成としては一般的な教育方針だったのかもしれません。

 しかし現在では当時と比べると、管理職に部下や後輩の育成を含めた研修を実施するようになったために、社員を叱責するよりも「褒めて伸ばす」という育成方法が主流になりつつあるようです。

 皆さんは部下や後輩の育成を考える時、「褒める」指導と「叱る」指導ではどちらが多いですか。また、ご自身の就活時を振り返り、恩師からどのような就職指導を受けてきましたか。「生徒の自主性に任せてくれたために、就職指導はほとんどなかった」と言う人もいれば、「就職指導に熱心な先生であったために厳しかった」と言う人など、いろんな意見があると思います。

 そこで今回は、「褒めて伸ばす」方法を徹底し、売上を伸ばしている三重県の南部自動車学校(以下、教習所)を例に取り上げ、「褒める」大切さと「叱る」大切さの両面について考えていきたいと思います。

南部教習所が
「ほめちぎる」教習を始めた理由

 みなさんは、「教習所」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?教習所に行かれた多くの方は、「厳しい教官がいて技能講習で落とされ、○時間余分に受けさせられた」といったように、「厳しい教官」の話が少なくないのではないかと思います。特に路上を走る技能講習では事故を防ぐためにも、誤操作や注意散漫な運転は避けなければいけません。そのために教官からは厳しい目でチェックされ、危険を察知したり、停止しなくてはいけないところを停止しなかったりすると、教官がいる助手席側のブレーキを踏むなど、ご自身は緊張状態の中で叱られながら指導されたのを覚えていることでしょう。