第一印象が重要!?
売れそうな本をいかに探し出すか

――毎日多くの本に接しておられますが、売れる本の特徴ってありますか?

水上 結構外れるんですけど(笑)、ぱっと見て「この本きれい」って思った本は売れるような気がします。いまはお客様の目も肥えていますから、昔よりデザインは重要な気がします。これだけ多くの本があるんですから、お客様がなんか触りたくなっちゃう本っていいと思うんです。手にとって開きたくなる本。

――「きれい」とは色ですか?

水上 色もデザインもいろんな要素があると思うんです。最近では、『ニーチェの言葉』なんか、きれいだと思いました。最初は、黒色でびっくりしたのですが、よくよく見ると本と中身とデザインが一致したなって。中身に応じた重みもあるし、かといって読みやすさもデザインで表現できているって。

 ダイヤモンド社で一番好きな装丁は、ドラッカー名著集です。まさに飾っておきたい本ですよね。中身の重厚さをよく表しているし、かつ「きれい」ですよね。紀伊國屋書店新宿本店にはドラッカーの本が揃っていますって、あの赤色で表現できているんです。

――それだけ装丁は重要ということですね?

水上 私自身、インテリアとか好きなのが影響しているかもしれません。
6年ほど前に「ジャケ買い」というフェアをやったんです。自分で企画して、いいなと思う本を集めてやったフェアだったのですが、よく売れて新聞にも紹介されたので、とても嬉しかったです。もっとも私が好きなデザインと売れる本とは関係ないですけど(笑)。