難しい専門書は読めない
でも読者の同じ目線でお勧めできる本を探す
――ビジネス書を9年もやっていると、内容にも詳しくなるんですか?
水上 いや、全然(笑)。専門的な本はそんなに読まないんです。スイマセン。大学は商学部だったので、何が会計の本で、何が経済の本かっていうことはわかるんです。それと新聞を読むのが好きでいまでも毎朝読んでいますが、そうすると新しいビジネス用語もある程度はわかります。
でもあまり固い専門書を読む気はない(笑)。敷居が高いというか、手ごわいという先入観か。まだ必要に迫られていないんですかね。いまはもう少し読みやすいものから読んでいます。
お客様に「何が売れていますか」と聞かれても、普段から棚を担当していれば答えられるんです。でも専門書などで「あなたはどれがよかった?」と聞かれると、「私は読んでいません」って答えてます(笑)。
――正直に仰るんですね。
水上 はい、しょうがないんで。でも、これからこういう本を読んでみようという読者の方なら、お役に立てると思うんです。私が読んでみてよかったものなら、自信をもってオススメできますし。いきなり専門書を読むのに躊躇する人の気持ちってよくわかるんです。だから、そういうお客様を代表して、というと語弊があるかもしれませんが、一緒になっていい本はないかなって探しているようなところはあります。
――十分読んでいらっしゃるようですが、本の価値って読む人によって違いますよね?
水上 仰る通りです。本って、すべての人に同じように価値があるもんじゃないですよね。しかもその価値が読んでみるまでわからない。だから薦めるのも難しいですね。
でも世の中でまったく役に立たない本や間違ったことが書いてある本って自然と淘汰されてきているはずなんです。だから、1ページかもしれないけど、どんな本もどんな人にもきっと役に立つこと書いてあるんだろうと思うのです。そういう気持ちで本を薦めるようにしています。