実は早期退職が多い?
意識高い系でチェックすべきこと

 意識高い系の学生が、社会人となってどんな働きぶりを見せたのか。さまざまなビジネスパーソンに話を聞いたところ、意外なのか予想通りなのか、「早期離脱してしまった」というケースが多く聞かれた。それらの声をいくつか紹介しよう。

 まずは、ある企業にトップの成績で入社した新卒社員について、こんな実例が聞かれた。

「ある年、新入社員の代表挨拶を務めた新卒社員は、まさに理想的なタイプでした。頭も良く知識もあって、コミュニケーション能力も高い。先輩の中に溶け込むのも早かったし、とにかくこの会社の仕事で『多くの人の力になりたい』と常に話していました」(35歳男性/イベント企画)

 しかし、その期待の新入社員は「6ヵ月で会社を辞めてしまった」という。

「精神的にパンクしてしまったんです。同期の中で最初の退職者でした。いくら意識が高い彼でも、この会社は1年目の仕事がハードで、先輩にも厳しく言われるケースが多々ありました。加えて、1年目の彼はそこまで素晴らしい活躍ができませんでした。彼は意識が高く学生時代も優秀だったからこそ、これまで挫折したり叱られたりした経験が少なかったのでは。それで、立ち直れなかったのかもしれません。もちろん、彼をそこまで追い詰めた上司にも責任があると思います」(同)

「意識の高さ」と「精神的な打たれ強さ」は比例しない。そしてそれが、キャリアの舵を大きく転換させてしまう可能性もある。

 他には、こんな早期離脱のケースがあった。

「優秀な大学を出て、大卒時点でかなり知識力の高かった新卒社員。ただ、実際に働かせてみると融通が利きませんでした。現場の状況に合わせて臨機応変に対応できなかったり、ムダな部分で仕事が遅くなったり。何より、自分が納得するアドバイス以外は『はあ…』と気のない返事をして聞かなかったんです。彼は結局、入社から半年で退社。『昔から夢だった』という学校の先生を目指しました」(40歳女性/商社)

「入社初日から先輩に堂々と自分の目標を語り、『3年後には月間ナンバーワンの売上を記録します』と言っていた女性社員は、3ヵ月で辞めてしまいました。働き始めると仕事の覚えが悪く、最初は高く評価していた上司が『あんまりだな』と言い始めた頃に辞めてしまいましたね。高い目標を掲げるのはいいのですが、その達成に向けて少しでも暗雲が立ち込めたり、苦しんだりした時にすぐ逃げる。今までそういう生き方をしてきたのかもしれません。意識の高さはアテにならないと思いました」(29歳男性/販売) 

 高い目標を掲げたり、理想を持ったりするのはいいが、そのイメージと実際の働きぶりが噛み合わないと、すぐに離脱する人も多いようだ。よく言えば「切り替えが早い」とも言えるが……。もし意識の高い新入社員と接する機会があったら、失敗した後の「粘り強さ」や「気持ちの切り替え方」など、逆境への対応力をチェックしておくのも大切かもしれない。