第六世代から第七世代へ
マツダ車が歩く厳しい道のり

 NDとRFを愉しんだ、伊豆へのドライブ。

 マツダの真骨頂、「モノ造りに対する徹底したこだわり」を強く感じることができたが、商売ベースでみると、マツダはいま、厳しい局面に立っている。

 国内営業では昨年、「CX-5」から続いた第六世代の新モデル投入がひと段落。アメリカでの「CX-9」と中国での「CX-4」の市場導入を先行させたため、日本市場での新車導入が遅れた。今年は2月に、待望の新型「CX-5」が販売好調だが、これに続くモデルチェンジまで少し時間が開くため、国内営業の苦戦は当面続くだろう。

 また、海外事業および輸出については、NAFTA(北米自由貿易協定)がらみでメキシコ工場への対応をどうするのか。トランプ大統領は3月中旬、トヨタに対してアメリカ国内での新工場建設を強く要望しており、トヨタと総括的な協業体制を敷くマツダもアメリカ国内製造を再検討する必要があるはずだ。

 こうした厳しい局面にいるからこそ、マツダにとって大切なことは、モノ造りへの原点回帰、そして、たぬまぬ努力だと思う。

 RF試乗の前の週、私は広島にいた。

 朝、いつものように、平和記念公園で一礼し、原爆ドームで一礼し、ホテルに戻る。

JR広島駅からほど近い、マツダ本社 Photo by Kenji Momota

市電に乗って、JR広島駅。山陽本線で2駅目、向洋(むかいなだ)駅で降りて、歩いて2分ほどで、マツダ本社が見えて来る。

 マツダという企業は、そしてそこで働く人々は、広島を背負って生きている。そう、強く感じる。

 自動車産業の大きな時代変化の中で、「マツダらしさ」を貫くことが、マツダが成長を続けるための「唯一の方法」であるように思える。

(ジャーナリスト 桃田健史)