マインドブロックを打ち破る方法とは?

 それは、ロールモデルになりきること。

 皆さんにも、憧れの人や尊敬する人、思わずすごいと思ってしまう人がいるでしょう。そうしたロールモデルになりきって、さも自分がその人であるかのように振るまったり、「あの人ならどう考えるだろうか」と想像してみるのです。

 私のお手本は、もちろん孫社長です。

 だから「こんなことをやっても無駄だ」というネガティブな思考がよぎったときは、こう切り替えることにしています。

「孫社長なら、どう考えるだろう?」

 この効果はてきめんです。

 私も今では、孫社長と同じ企業経営者の立場になりましたが、三木雄信として考えると「これだけの資金調達は無理だろう」「うちの会社はまだ知名度がないから」といった言い訳をしたくなることもあります。

 でも、「孫社長ならどうするか」と考えた瞬間、思考はガラリと変わります。

「孫社長なら、金融機関とこんな交渉をするだろう」

「孫社長なら、会社の規模が小さいことを逆手にとって、思いきった戦略を実行するんじゃないか」

 そんなアイデアが次々に浮かんでくるのです。

 ロールモデルになりきって考えれば、自分の思考の足かせになっていた常識の枠が取り払われる。そんなイメージでしょうか。

 たまたま私は希代のカリスマ経営者が身近にいましたが、お手本にするのは誰でも構いません。

 著作を読んで感銘を受けた経営者でもいいし、歴史上の人物でもいいかもしれません。

 重要なのは「誰をロールモデルにするか」ではなく、「自分以外の人物になりきれるか」です。