『風、薫る』第80回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第80回(2026年7月17日放送)「風、薫る」レビューです(ライター 木俣 冬)
新潟と東京をつなぐもの
新潟編になって気になることがある。主人公のりん(見上愛)と直美(上坂樹里)が離れ離れになったことだ。
ドラマの序盤、りんが栃木、直美が東京にいたため、物語が分散してしまい、あわただしかった。ふたりが同じ学校、病院で働くことになって、ようやく落ち着いて見られるようになった。ところがまた舞台が新潟と東京の2カ所になってしまったのだ。
第80回では新潟、東京、新潟、東京と行ったり来たりした。
まず、新潟。雪が降っている。雪の音。寒い風の音。雪国の音がする。風情に工夫がある。
りんが郵便を受け取っていると、女性が尋ねてくる。生徒・長見久(近藤華)の母親で、りんとは面識があった。あの飴屋で横入りされた老女といっしょにいた人――長見サワ(磯山さやか)だ。
本来、面会には事前に申請が必要だが「今日は特別に」とりんはふたりだけにして席を外す。
自室で届いたばかりの手紙を読む。あどけない環(英茉)の手紙には微笑み、直美(上坂樹里)の手紙は少し心配ごとが書いてある。手紙によって新潟と東京をつなぐ工夫はされている。
オンエアではここで東京に場面が変わる。レビューではこのまま新潟をまとめて紹介しよう。
家を飛び出してきて頼るところのないサワをりんは自室に匿う。「実は私も娘を連れて本家を飛び出したもので」と個人情報を開示するりん。
サワは、実家の母の体調が悪いので、新しくできた大きな病院に見せたいから、一度実家に帰らせてほしいと夫に半年間お願いし続けてやっと病院に連れて行けたときには、手遅れだった。その話を聞いた夫は、お酒を飲みながら、サワの顔も見ずに寿命だと冷たく片付けた。こんなひどい夫だが、娘の久がいるから耐えられたと言うのだが――。







