選挙のたびに取り沙汰されるのが若者の投票率の低さだが、パイプドビッツ(東京都港区)が行った調査によれば、「普段投票しない」と答えた20~30代の多くが、「インターネット選挙を解禁すれば投票する」と回答したという。

 調査は、同社が運営する政治情報資産クラウド「政治山(せいじやま)」が「震災と選挙」をテーマに実施。20~30代の男女500人(居住地域:東北を除く)が対象。調査期間は4月12日~13日。調査方法はインターネット。

政治家とのコミュニケーション方法
若者の半数が「インターネットで」

 まず、支持する政党を聞いたところ、「支持政党なし」が67.4%で圧倒的。支持する政党がある人の中で最も多かったのは野党第一党の自由民主党(12.6%)。続いて民主党(7.2%)、みんなの党(5.8%)、日本共産党(2.6%)、公明党(1.6%)だった。

「若者の政党離れ」という言葉通りの結果となったが、次の質問では、政治に対する関心がないわけではないことが見て取れる。「選挙期間中に、候補者に対して質問や意見したいと思ったことがありますか」という問いに「ある」と答えたのは46.8%。半数には達しなかったものの、「政党離れ」=「政治離れ」ではないことがわかる。

 さらに、「どういう方法で意見交換やコミュニケーションをしたいと思いますか」という問いに「直接会う」と答えたのは23.5%だったのに対し、「インターネットを利用する」と答えた若者は51.7%と半数を超えた。実際にツイッターなどで、著名人に直接「話しかける」人は少なくない。しかも稀に、一般人と著名人の「論争」や「小競り合い」さえ見かける。政治家とコミュニケーションする手段として、直接会うよりもインターネットの方が違和感ないという若者の気持ちは、ツイッター上で飛び交うやりとりを少し観察すれば理解できるかもしれない。

「普段投票に行かない人」の78.6%が
「インターネット投票」に戸惑いなしの理由は?

 調査では続けて、「普段投票に行く」と答えた人、「普段投票に行かない」と答えた人に分けて、「選挙の投票がインターネットでもできるようになったら、どこで投票しますか」と聞いている。

「普段投票に行かない」と回答した人のうち、78.6%が「インターネットであれば投票する」と回答。「投票しない」と答えたのは20.6%だった。母数が少なくインターネットの調査であることから多少の偏りは想定されるものの、約8割という数字には驚く人も多いのではないだろうか。「普段投票に行く」と回答した人でも、半数以上の53.7%が「インターネット(PC、モバイル)を利用して投票する」と答えた。

 20~30代の間での「インターネット投票」のイメージは、「(事故などの危険がある)不安」より、「便利」が上回るのだろう。ショッピングサイトにクレジットカードの番号を打ち込んで買い物をすることに若いうちから慣れている層と、そうではない層との違いを考えると、分かりやすい感覚かもしれない。

 もしインターネット投票が可能になったら、あなたは投票所での投票とインターネット投票のどちらを選びますか?

(プレスラボ 小川たまか)